格闘家の素顔>柔道の金メダリスト、吉田秀彦のプライドとは？

数年前になりますが、息子が高校在籍中にある人の講演会
があるというので行きました。
その高校の柔道の先生が、その方と知り合いで、ぜひ生徒
の前で講演をしてほしいとずい分前からお願いしていたと
のことでした。
それが、今回やっと実現したらしいのです。

ある人とは、バルセロナオリンピックで柔道の
金メダリストの吉田秀彦選手でした。
総合格闘技のPRIDE、極戦で活躍中で、自分の道場も
開いています。
私が会場の入り口で立っていたら吉田選手がやってきました。
思ったより、カラダが大きくがっちりしていました。

講演会の内容は、柔道を始めたきっかけから始まりました。
そして、シドニーオリンピックの三回戦でおきた右腕の
怪我のこと、バルセロナオリンピックで金メダルを獲得
したこと、総合格闘技の世界に入った理由、これからの抱負
などをお話されました。

最後に、生徒から質問を受けるということになりました。
ある生徒が元気よく手を上げてこう言いました。
「はーい！吉田選手、ぼくに技をかけて下さーい」
会場は、ざわめきました。
それに対して、吉田選手は、少し間をおいて、
「あぶないから、やめとこう」
と答えました。

柔道は、おもしろ半分にするものではなく、本当は、もっと
厳しいものだということを一人の柔道家として教えたかった
のだと思います。
自分が今までやってきた武道の「柔道」がスポーツの「JUDO」
より強いというプライドがあったからかもしれませんね。