格闘家の素顔>あのアントニオ猪木自身の名言・語録とは？

そのときでした。
ひときわ異彩を放つあるプロレスラーが、会場に入ってきました。
そして軽くランニングをしてこちらのほう向かってきました。
私はその様子を横目でチラッ！と見ながら一人で興奮していました。

「これが、アントニオ猪木かー！スッゲー！テレビで見るより
大きいなー！サインもらいたいなー。でも、サイン色紙持ってきて
ないし。しかも、仕事中やしなー！」

私のそんな気持ちも知らずに、すぐ横で今度はストレッチを
はじめました。
額からは、薄っすらと、汗が流れ出ています。
顔も真剣です。

ようやくリングが完成しました。
そしてアントニオ猪木が若手を相手にスパーリングをはじめました。

受身をしてマットのかたさを確かめたり、ロープに跳んで張り具合
を確認したりしながらカラダをほぐしでいました。

当時、高校生だった私はテレビの派手な部分しか見ていなかった
ため、ちょっと意外な風景でした。
「やっぱりあの強いアントニオ猪木でも、準備運動するんだな」と。

勉強でも仕事でもスポーツでもそうですけど、人の見ていない部分
で黙々と勉強する、練習する、トレーニングをする。
プロとして、お客さんの前で試合するからには、恥ずかしい動き
は、見せられない。
プロとして、当然の考え方ですね。
やっぱり練習はうそをつきません。

今、考えるとあたり前かもしれませんが、少なくともそのときは
素直にそう思いました。
その後の私の人生にもこの「日頃からの準備の大切さ」が教訓のひとつ
になっています。

それからアントニオ猪木の名言のひとつにこういうのがあります。
「悩みながらたどり着いた結論は、やはりトレーニングしかない」